役に立たないデバイスの外観

役に立たないデバイス(2013)

吉田直人/髙橋翔太

無線通信技術や情報通信機器の普及によって、現代人は多くの情報の中で暮らしている。一方で、それらは私たちの生活を進化させているが、蝕んでもいないだろうか。無制限にやってくる情報の処理に追われたり、更新が気になって集中できなかったり、事の表面だけをみて知った気になってしまったり…。果たして私たちは、情報を元に動いているのだろうか、情報によって動かされているだろうのか?

〈役に立たないデバイス〉は、情報に動かされるモビールである。各ユニットは、それぞれ異なるWebサービスに紐づいており、更新情報を受け取ると先端のプロペラが回転し、モビールが動かされる。周囲の空間による影響に加え、尽きることのないWeb上の情報に反応し続ける姿は、情報に動かされている私たちを暗示する。

目には見えない「情報の風」を受けて揺れ動く姿が、情報と密接に関わる現代の空気感を明らかにする。このモビールは、情報社会に生きる現代の人々に対して、自分自身の姿を問いかけるように、動き続ける。

役に立たないデバイスの外観

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