soon be hereの外観

soon be here

吉田直人

情報と建築空間の関係を考えたとき、それらの間には大きな溝を感じていた。

いわゆるディスプレイを持つ情報機器は、世界中と繋がることができる特性がゆえに、いま・ここという空間の文脈から切り離された、その場で感じる必要のないものまでを人に与える。それゆえ質の高い、非日常の雰囲気を纏う空間であるほど、ディスプレイに代表される情報機器は空調等の設備と同様、空間のノイズとして建築的処理によって隠されてしまっている。

対照的に、建築空間と自然な関係性を持つ情報であれば、それを表出することによって、情報と空間の調和し得るのでないかと考えた。今回焦点を置いたのは建築空間の要素の一つ「窓」である。何ともなしに窓から空を眺め、その日の天気を案じる行為は、人と空間にとって普遍的なものであり、情報という切り口によってその行為を拡張できれば興味深いと考えた。

〈soon be here〉は、それぞれが数時間先の気象情報と結び付くことで、二羽の鳥が窓に向かって未来の空模様を運んでくるような風景を作り出す。そのとき、窓からの風景はどう見えるだろうか。

soon be hereの外観

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