eiso
大木洋
- 人の気配を投影するあかり
- 通信相手の動きや息遣いを、陰影に映し出す
近年、遠隔地にいる人同士の通信のハードルが下がり、個人の持つ端末のディスプレイを介して、通信相手の顔・身体を見ながら会話をすることが容易になってきている。しかしふとした瞬間、通信相手の無言が続くと互いのコミュニケーションが上手く通っているのか不安になる。本来私たちが対面で何気なく感じていた「同じ空間に人がいる事を察する感覚」が、ディスプレイからは引き剥がされてしまっていることに気づく。
〈eiso〉は遠隔地の人の動き、息遣いに呼応して、陰影を曖昧に映し出す。 この影はディスプレイに現れる通知のように唐突なものではなく、まるで障子越しの影のゆらぎのように、連続的な気配を感じさせる。
生活する場所や働く場所に制約が無くなっていく未来において、遠隔地との関係性が緩やかに混ざることでコミュニケーションのあり方も変わって行くのではないだろうか。